相続手続きの流れ
1 相続手続きの全体像
人がお亡くなりになると、その人に属していた財産等の権利義務は、原則として民法第896条に基づき相続人に承継されることになります。
しかし、実際に相続人が相続財産を取得して利用をするためには、いわゆる相続手続きを経る必要があります。
相続手続きは大きく分けると、まず前提となる相続人の確定、相続財産の把握、遺産分割協議があり、その後に行う預貯金や有価証券の解約・名義変更、不動産の名義変更(相続登記)、相続税申告などが挙げられます。
それぞれの手続き等は、法律や実務上のルールに基づいて進める必要があり、やり方を間違えると手続きが長引くことや、相続人間でのトラブルの発生原因になることもあります。
以下、相続手続きの流れについて、順番に説明します。
2 相続人の確定
相続手続きを進めるにあたり、最初に行うべきことは、相続人の確定です。
相続人は、民法第887条に基づいて決まります。
配偶者は常に相続人となり、子、直系尊属(父母など)、兄弟姉妹は、この順位で相続人となります。
相続人を確定するためには、戸籍謄本等を収集します。
具体的には、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本を集める必要があります。
この作業を進める際には、戸籍の記載内容を読み解く能力が必要とされるほか、場合によっては複数の市町村などに戸籍謄本の請求をしなければならないなど、想定以上の労力や時間がかかることがあります。
しかし、必要書類を揃えて相続人を確定させないと、遺産分割協議や名義変更手続き等を進めることができませんので、この作業は必須のものとなります。
3 相続財産の把握
次に、被相続人の財産を把握します。
相続財産になり得る財産としては、不動産、預貯金、有価証券、動産などがあります。
死亡保険金や死亡退職金は、民法上は相続財産ではありませんが、相続税申告上は相続財産とみなされます。
また、借金などの債務も確認する必要があります。
被相続人の不動産は固定資産税納税通知書や名寄帳で確認し、預貯金や有価証券は通帳や取引報告書などから把握します。
また、金銭消費貸借契約書や請求書などを確認してローンや未払金などの負債も整理することで、相続税の計算のほか、相続放棄をすべきかの判断にも役立ちます。
相続財産を正確に把握することは、スムーズな遺産分割協議や、相続税の申告漏れの防止に役立ちます。
4 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
相続人と相続財産の調査が済みましたら、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議とは、相続人全員で、誰がどの相続財産を取得するかを決める話し合いのことです。
実務においては、遺産分割協議で合意した内容を遺産分割協議書に記し、相続人全員の署名・押印(実印)をしたうえで印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議では、財産の分け方に関して相続人間で意見が対立することもあります。
もし争いが生じてしまった場合には、弁護士に依頼して交渉や調停や訴訟を行い、解決を図ることも可能です。
5 相続財産の名義変更手続き
⑴ 財産の種類に応じた手続きが必要
遺産分割が完了したら、実際に財産の名義変更等の手続きをします。
名義変更等は、財産の種類ごとに手続き先や必要となる書類・資料が異なります。
⑵ 不動産
不動産登記法に基づき、管轄の法務局で相続登記(所有権移転登記)を行います。
相続登記は義務化されており、基本的には相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に行わなければならない点に注意が必要です。
相続登記の代理をすることができる専門家は、司法書士または弁護士のみですので、相続登記にお悩みの際にはいずれかの専門家に相談しましょう。
⑶ 預貯金
銀行や信用金庫で解約や払い戻しの手続きを行います。
金融機関によって必要書類がある程度異なる可能性がありますので、事前に問い合わせをするなどして確認をしておくと、手続きがスムーズに進められます。
複数の金融機関に口座があるなど、手続きをする数が多い場合には、行政書士への依頼も検討するとよいでしょう。
⑷ 株式・投資信託
証券会社で名義変更を行います。
証券会社によって必要書類がある程度異なる可能性があるほか、株式や投資信託を取得する相続人が証券会社に口座を開設しなければならないこともありますので、事前にしっかりと確認しましょう。
⑸ 自動車
運輸支局または軽自動車検査協会(軽自動車の場合)で、名義変更を行います。
6 相続税の申告
相続財産(みなし相続財産含む)の評価額が基礎控除額(3000万円+法定相続人の数×600万円)を上回る場合、基本的には相続税の申告と納付が必要になります。
相続税の申告と納付は、相続開始を知った日(一般的には、被相続人の死亡日)の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
相続税の金額を正しく算定するためには、適切な財産評価と特例等の適用が必須になります。
特に不動産の評価や株式の評価は複雑であり、評価を誤ると過大な相続税を納付してしまうことや、過少申告による追徴課税が発生することもあります。
相続税申告の代理をすることができる専門家は税理士のみですので、ある程度の相続財産がある場合には、早めに税理士に相談、依頼をして正確な申告することが望ましいといえます。
7 相続手続きは多岐に渡るため専門家への相談をおすすめします
相続手続きは、相続人の確定、相続財産の把握、遺産分割協議をしたうえで、各種相続財産の名義変更等と相続税申告というステップで進めるのが一般的です。
各ステップでは法律や実務上のルールを守ることが大切であり、手続き誤ると相続財産が事実上利用できないだけでなく、将来的なトラブルが生じる可能性もあります。
特に不動産や金融資産の名義変更、相続税申告などは専門家に依頼することで、確実かつスムーズに進めることができます。
相続で何をしてよいかわからないという不安がある場合には、まず専門家に相談し、必要に応じて依頼することで、安心して手続きを進めることができるでしょう。
受付時間
平日 9時~21時、土日祝 9時~18時
夜間・土日祝の相談も対応します
(要予約)
所在地
〒221-0056神奈川県横浜市神奈川区
金港町6-3
横浜金港町ビル7F
0120-2403-39






























